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No. 270 (Thu)
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Date 2007 ・ 07 ・ 12

086. 相違

『この世界における水の供給源についての考察と結果』
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No. 265 (Tue)
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Date 2007 ・ 06 ・ 26

054.伝言

『伝えたかった言葉』

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No. 252 (Sun)
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Date 2007 ・ 05 ・ 13

077.告白

『机上の空論』

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No. 230 (Sat)
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Date 2007 ・ 02 ・ 24

075.久遠

『兎の女王の城の女王とその側近のお話』

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No. 227 (Mon)
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Date 2007 ・ 02 ・ 12

078. 灰

『灰』

はい、あの人は目の前で灰になりました。ええ、日の光を浴びて、です。今となっては彼が人間だったのか人間ではなかったのか、そんなことはどうでもいいのです。ただ、灰が残ってしまった。それが問題なんです。彼は生前、まぁこんな言い方はおかしいですけれども、生前、自分が死んだら自分の痕跡をすべて消すように、と言っていまして。私はそれに従わなければならないんです。ええ、どうしても、です。我ながら面倒臭い業を背負ったものだと思いますが、仕方のないことです。私は主人のような人の上に立つものには逆らえない性格でして。どうしても彼の言うことを実行しなければいけなかったんですよ。まず私はセオリーどおりといいますが、土の中に埋めてみました。しかし無駄でした。灰は次の日に骨壷の中に戻っていました。次に海の中に放り投げてみました。しかし無駄でした。灰は次の日に骨壷の中に戻っていました。少しおかしいんですけれども、灰は湿っていたのですよ。ここまで必死に泳いできたのでしょうね。アラ私ったらお茶もお出ししないで。少々お待ちになってくださいませ。いえいえ、遠慮なさらないで。年寄りの話に付き合ってくださるんですもの、これくらいはさせて頂戴。これは私がお気に入りのお茶なんですけれどもね。葉っぱが独特の色をしていますでしょう?ちょっとやそっとじゃ手に入らない代物なんですよ。……ああ、なんでしたっけ。ああ、話の続き。ええっと仕方が無いので次に、犬に食べさせてみました。ドックフードの中に混ぜてね。しかし無駄でした。灰は次の日に骨壷の中に戻っていました。犬は死にました。今度は血液の中でも泳いでいたのでしょう。少し、紅くなっていました。その次は……面倒くさくなっていたんでしょうね、私も。ゴミの日に出してみました。しかし案の定、無駄でした。灰は次の日に骨壷の中に戻っていました。その日の灰は少しにおいがついていましたよ。灰も大変ですね。生きるのに必死です。そうそう、その次はもう一度燃やしてみました。……何も変わりませんでしたがね。もうどうしようもありません。ホラ、やっぱりこのお茶はおいしいでしょう?さぁさ、もう一杯どうぞ。うふふ、このお茶を飲んでしまえば、他のお茶を飲むことなど考えられなくなってしまいますよ。はい、それでどうしたのかって?……それはですねぇ、最終手段で、自分の口にえいやとばかりに放り込んでみたんですよ。アノ犬のように死ぬならそれも仕方の無いことだと思いましたから。しかし私は死にませんでした。灰は無事に私の血肉に成り果ててしまったようでした。私はだから今の世でもこのように長生きできているのですよ。はい、そうです。主人は最初から分かっていたのだと思います。こうなることを。さぁ、もう一杯いかがです?え?ああ、そうですね……もう何年も前の話ですからねぇ、真偽のほどはご自分でお確かめくださいませ。そろそろ……夜が、明けますわ。

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No. 192 (Fri)
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Date 2006 ・ 10 ・ 27

095. 城

『兎の女王の城の専属ピアニストのお話』

「アレ、どうして僕はここにいるんだっけ?」
六百年前、この城が建った初めからここに居ると言い張るピアノ奏者に、毎回恒例の質問をしてみた。目の前で彼はピアノを、曲の名前は……忘れた、を弾く手を止めずに微かな笑いを漏らす。
「ナニ言ってるんだい。君がふらふら勝手に来たんだろうが」
「ふぅん、そうだったっけ?」
どこか納得できない僕は窓の外を見ながら、これもまた毎回恒例の過去の記憶を辿ろうとして、止めた。この音色を聞いているだけで分かる。あまりにも理由がはっきりしすぎてて、残念ながら思い出す意味もない。
眼下に広がる果ての無い黒い海、暗闇に浮かぶ月の光だけがこの部屋の光源だ。この城には電燈という無粋なものは一切ない。これも今の七代目の女王のご立派な回顧主義のおかげだった。僕は月の光を思う存分浴びれて一向に構わないのだが、使用人たちは「足元が覚束なくて不便だ。女王様は気でも触れたのであろうか」と愚痴をこぼしているそうである。まぁ、これも仕方が無い。彼らは顔を上に上げることなど無いので、月の光の存在に気付くことなどないからだ。
このピアノ師専属の部屋は女王部屋がある最上階の一階下にあたる。だから月の光には事欠かない。なにせこの城は六百階あるものだから、空が限りなく近いのだ。彼が女王のすぐ下にいる理由は、彼が女王の効果音や背景曲を全て受け持っているからである。ここ六百年間は彼はこの部屋から、しいてはピアノから手を離していないらしい。まったくご苦労なことである。
でも七代の女王が手放したくなくなるもの分かる気がする。彼の曲調は決して陽気の類ではない。むしろ陰気で憂鬱の類だ。でもプラスに言えば幽玄だ。その者の持つ雰囲気を前面に押し出してくれる、静かで控えめな曲調。この曲を纏った者には黙って従わずにはいられない、静かな支配。心が何か一部欠けてしまった者を惹きつけて止まない力を持っている、それが彼の持ち味だった。
窓の外では彼の曲に誘われて、純白の小さな渡り鳥がふらふらとこちらの部屋に入ってこようとしていた。
「確かに勝手に来たけどなぁ」
「ナニかご不満でも?」
僕は親切にもその鳥を手を振って追い払ってやる。鳥は不満そうな顔をした。
「大きな不満はあるけど、小さな不満はない」
「なんだい、それは」
僕は渋々飛び去っていく鳥に向かって舌を出した。せいぜい今は不満そうな顔をしてればいい。

後で僕に感謝することになるだろうから。

「僕はさ、本来飛ぶものなんだよ、本来」
「そんなの見れば分かるさ」
「……分かってないじゃないか。だったらさっさとその手を止めてくれないか」
この間にも彼はピアノを弾く手を止めない。おそらく僕が見てきた四百年前から止めてない。だから僕の見ていないその前の二百年間も手を止めていないのだろう。
ピアニストは月の光を受けて、綺麗に微笑むと今夜も嘯いた。



「仕方ないだろ? だって僕は君のために弾いているんだからね」



ああ、本当にひどい。
今日もまた僕はこの窓から飛び立てないらしい。

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